英国の研究者が、高齢者の口腔内感染症に効果のある薬物が配合されたシュガーレスガムを用いた研究結果を報告。
高齢者の口腔内は往々にして清掃状態が良くない。その為、入れ歯が細菌だらけになったり、う蝕も多発し、しいては全身の健康に影響を及ぼす。細菌のはびこった入れ歯や口腔カンジダ症は全身の健康をむしばみ、肺炎をひきおこしたりするのだ。高齢者を対象に、手軽に口腔内の健康状態を改善できる方法の確立はそんな状態の改善に大きな助けとなるものだと研究者は話す。
60歳以上の高齢者111人を対象に、1年間研究を実施。体は弱っているが、健康状態を維持している高齢者で、自宅療養か養護施設に暮らす高齢者だった。
研究対象になった高齢者の半分は、殺菌効果のあるクロルヘキシジン・アセテートと、甘味料としてシュガーレスガムによく使用される白樺の樹液からつくられるキシリトールを配合したガムを1日2回、15分間噛んだ。もう半分のグループは、キシリトールだけを配合したガムを同様に噛んだ。
殺菌効果のある薬剤の配合されたガムを噛んだグループでは、カビや真菌の繁殖で生じる口腔カンジダ症の発症を91%抑えることができた。このグループでは、他に口角炎の発症抑制も確認できた。キシリトールだけを配合したグループでも若干の抑制効果が認められたが、薬物配合グループのような抑制効果は認められなかった。
薬物配合ガムは唾液量の増加も促し、結果として入れ歯の汚れが少なくなった。通常唾液はう蝕抑制効果があるが、高齢者の多くは唾液の量を抑制する副作用を示す薬物を含むさまざまな薬剤投与を受けているのだ。
薬物の配合されていないガムを噛んだグループでは、年間を通じて真菌や細菌量が増加していた。今回の研究で副作用は何も報告されなかった。
現在この薬物配合ガムはスウェーデンとデンマークでしか手に入らない。でも、キシリトール入りのガムを噛むだけでも、体の弱い高齢者にとっては臨床的に明らかな効果が明らかだと研究者は話す。 |