2004年10月5日/アメリカ
長いこと偏頭痛に悩まされていたサンディエゴのジム・ボイド歯科医師。
1999年のある日、就寝中の食いしばりがどうやら偏頭痛の引き金になっているようだと気がついた。
その後の研究で、彼のひらめきは証明された。ボイド歯科医師は早速小さな2.5センチ程度の偏頭痛防止用スプリント“NTIスプリント”を開発した。夜間就寝中に上顎切歯にはめて使うスプリントで、臼歯部に離開を与える特製スプリントだ。
5年とたたないうちに、ボイド歯科医師自身はもちろん、彼の担当する患者の偏頭痛はものの見事に解消し、NTIスプリントとして急速に普及していった。米国内でも初めて、偏頭痛防止用スプリントとしてFDA(米国食品医薬局)の承認を得たNTIスプリント。現在では、米国内のみならず、世界各国で偏頭痛に悩む百万人を超す人々の恩恵にあずかっている。
過去5年間のNTIスプリント普及率はなんと1200%。このスプリントの詳細について教育を受けた1万5,000人の歯科医師が世界中におり、患者さんにデバイスを供給している。来年1年間だけでも、100万人を超す新たな患者さんがこの装置の恩恵にあずかることになりそうだ。中国においてもこの装置の提供が開始されたことは嬉しいことだ。
米国人で偏頭痛を病んでいるのは推定2,300万人と言われる。これに起因する労働生産性低下は、年間で推定172億ドルにのぼるという。NTIスプリントを使ったことのある人の82%は、2ヶ月以内に症状が改善し、偏頭痛の痛みは平均で77%改善したという報告がある。
歯科医院でのスプリント調整は簡単にでき、外科処置などは一切不要。危険性や副作用もなく、偏頭痛に対して行われている投薬に比べても安全性が高いのも特徴だ。夜間だけでなく、昼間装着用のタイプもある。
NTIスプリントは、偏頭痛に対して普段行われる投薬処置が受けられない人にとっても福音だ。心疾患や心臓の急性発作を既往した患者をはじめ、妊婦や糖尿病罹患患者も安心して使うことが出来る。 |