| 無気力で疲れやすく、集中力が長続きしない若者の増加について、その原因が「歯の退化」にある可能性が、群馬県高崎市の歯科医師、丸橋賢さん(62)の調査で分かった。歯列の異常は全身の骨格や筋肉の歪みを引き起こし、運動能力の低下だけでなく、精神をむしばむという。不登校やニート状態の若者の増加の一因とする専門家の指摘もあり、丸橋さんは「歯をきっちりと育てないと心身ともに虚弱になり、社会に適応できない若者が増える恐れがある」と話している。
校医の経験もある丸橋さんが30年間で診てきた患者は子供、若者を中心に約3万5000人。日本人に典型的だった左右対称でU字型や放物線型の歯列が変化し、整った人は100人に1人程度であることに気づいた。
サンプルを集めると、歯並びが極端に悪い患者は、V字型やひょうたん型の歯列で、顔が小顔で細長く、全身がどちらか一方に偏って、猫背になっていることも判明。歯列異常で頭部の重心が狂い、頭を支える首や背骨が歪んでいた。この影響で、原因不明の片頭痛や重い肩こりなどに悩まされているケースも多く、血液のめぐりが悪くなることで、運動能力や集中力が低下しているのだという。
丸橋さんは「歯列異常は硬いものを嫌い、軟らかい食べ物を好むようになった現代人の嗜好の変化と関連がある。成長期に硬いものを食べない結果、あごが正常に育たず、歯がふぞろいに生えてくる」と指摘。歯列がひょうたん型の患者は全身の慢性的な痛みで苦しみ、整形外科や神経科で受診しても原因不明と診断されることも多いという。
その結果、次第に外出する回数が減り、心の病も発症。精神科や心療内科で、精神安定剤などの投薬を受けても治らないケースが増えているとみられる。
丸橋さんが営む丸橋全人歯科は、かみ合わせを良くする独自の矯正方法を確立。治療で、不登校から立ち直ったり、ニートの状態から社会復帰するケースが見られ、全身を襲う症状が見ちがえるように改善している
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