歯周病治療|千葉でインプラントを行うなら東船橋駅最寄りのおさか歯科クリニック

歯周病治療

歯周病とは

歯周病は歯そのものが悪くなるわけではなく、歯肉が腫れたり、あごの骨(歯槽骨)が溶けたりする病気なのです。歯周病は口の中にいる細菌に感染したことで発症する、感染症の一種です。放置しておいても自然に治癒することはありませんので、症状を改善するのに歯科医院での治療を受ける必要があります。
人間の口腔内には数百種類もの細菌が存在していて、歯周病の原因となる細菌はその中の20種類ほどです。細菌は食事の際に発生した食べ物のカスなどからできた歯垢に住み着き、増殖していきます。そのため歯周病を防止するには、日常的に口腔内を清潔に保たなければなりません。
歯周病は初期には自覚症状が少ないので、気が付くと進行している病気です。症状としては歯肉に炎症が起き、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットが次第に深くなっていきます。ここに取りついた歯垢は日常のケアでは取りにくく、歯周病はさらに進行していきます。

歯肉炎を放置していると歯根膜、歯槽骨まで浸食し、歯周炎が起きます。これ以上進行すると歯槽骨が溶けはじめ、徐々に歯を支えられなくなってぐらつきだし、最終的には歯が脱落することもあります。
また、歯周病は歯肉や歯槽骨の状態を悪くするだけでなく、糖尿病などの全身疾患にも関連していることが分かってきています。

歯周病の原因とは

直接の原因はプラーク(歯垢)と歯石

歯周病はプラーク(歯垢)によって発症します。そのため、歯周病の改善にはプラークを取り除き、極力新たに付かない状態を作る必要があります。
多くの方がブラッシングは食べ物のカスを取り除くためのものと考えられていますが、それだけでなくプラークも取り除かなければ歯周病は防げません。プラークは固形のものではなく、細菌が作ったネバネバの膜です。
プラークが口腔内のカルシウムと結びついて歯石になると、さらに細菌は繁殖しやすくなり、除去しにくくなります。歯石の中の細菌は酸を排出し、それによって歯周組織が破壊されていきます。

歯周病菌の活動を促す局所的因子

  • 外傷性咬合

    噛み合わせた時、一部の歯が強く当たることで全体のバランスが崩れている状態です。強く当たる部分に噛む力が集中するので、その歯が揺れ動くことで歯周ポケットが発生します。するとプラークが侵入するので歯周病の進行が始まり、歯周ポケットがさらに広がっていきます。

  • 口呼吸

    口呼吸していると口腔内が乾燥するので、唾液の免疫力や殺菌力が働きにくくなります。

  • 食生活

    甘いものや柔らかいものは虫歯菌だけでなく、歯周病菌にとっても大好物です。
    一方、硬いものをたくさん食べるとあごをよく使うので、唾液の分泌量が上がって歯周病や虫歯のリスクを減らします。また、食後のうがいやブラッシングも大きな予防対策になります。

歯周病を進行させる全身的因子

  • ストレス

    心身のストレスが過度になると免疫機能の低下が起こり、歯周病の悪化に繋がることが分かっています。

  • 喫煙

    タバコにはタールが含まれていますが、喫煙するとタールが歯の表面に付き、凹凸ができます。そのため歯垢が付着しやすくなって、細菌の繁殖を助長します。
    また、タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があり、歯肉に供給される血液が減って、免疫細胞の働きが低下しますし、酸素や栄養分も行きわたりにくくなりますから、歯周病が進行しやすい環境が強化されてしまいます。

  • 若年性歯周炎

    永久歯が生える12歳前後には、男子より女子の方が、歯周炎を起こしやすい時期があることが知られています。原因としては、遺伝的なものや細菌の感染によるものもありますが、成長の過程でエストロゲンという女性ホルモンが分泌される量が増えることで、白血球が働きにくくなることに関連していると思われます。

  • 妊娠

    妊娠期間中もエストロゲンが増加するので、歯周病にかかりやすくなります。

  • 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

    加齢によってエストロゲンが減少すると、全身の骨の密度が低下していきます。歯の周辺も例外ではなく、骨が溶解しやすくなるので、歯周病が進みやすい状態になります。

歯周病セルフチェック

こんなことに心当たりありませんか

下記が当てはまる場合、歯周病が進行している可能性があります。ぜひ当クリニックで検査を受けてください。

    • ブラッシングの際に歯肉から出血する
    • 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなった
    • 口臭がきつくなった
    • 起きた時口の中がねばつく
    • 歯ぐきがかゆいことがある
    • 歯が浮いてくる気がする
    • 歯ぐきが腫れ、痛みを感じることがある
    • 歯肉から血や膿がでることがある
    • 冷たいものが沁みる
    • 歯が長くなったように感じる
    • 歯がぐらぐらする

唾液検査でもお口の健康チェック

当クリニックでは、歯周病の不安がある方には唾液検査を受けることをお勧めしています。唾液を確認することで、歯周病が発症しているかどうかを確認したり、進行度合いを確認したりすることができるからです。また、唾液からは歯周病の原因となる細菌を特定することができます。歯周病は感染症ですから、原因となる細菌が分かれば薬を処方して症状を改善することも可能です。さらに唾液に含まれるヘモグロビンを見ると、歯肉炎の進行度が分かりますし、治療の必要性を判断する材料にもなります。唾液検査はさまざまなメリットがありますので、気になった方はスタッフまでお声がけください。
また唾液検査は歯周病の状態を確認するだけでなく、ご自身の唾液自体の質を知ることが可能です。これによって虫歯や歯周病のリスクがどの程度あるのかも分かりますから、日常のセルフケアのモチベーション維持にも役立ちます。患者さんにとっては唾液を少量採取するだけなので、痛みや苦痛を伴う検査ではありませんし、検査結果もすぐわかるので時間もかからず、歯科医院に何度も足を運ぶ必要もありません。歯科医院は悪い部分を削って被せるだけの存在ではなく、個々の患者さんのリスクを知って、予防の仕方をアドバイスすることができます。口腔内の環境を守るためにも、ぜひ唾液検査を受けましょう。

歯周病と全身疾患

歯周病は口腔内だけにダメージを与えるものではなく、体内の複数の疾患に関与していることが分かっています。歯周病にかかっていると炎症があることから血糖値のコントロールがしにくくなるので、糖尿病が悪化しやすくなりますし、糖尿病の人は歯周病に感染しやすく、状態も悪化しやすいのです。
また、歯周病菌は血管内に侵入して血栓の元になることがあります。歯周病菌が呼吸器に入ってしまうと肺炎やぜんそくを起こしてしまう可能性も上がります。
さらに、歯周病にかかっている人は心臓発作や脳卒中のリスクも、掛かっていない人より数倍にもなりますからさまざまな点に注意が必要です。妊娠している場合は、早産や低体重児出産の危険度も上昇しますし、動脈硬化や関節炎にも影響を与えます。

  • 脳梗塞

    歯周病が重度に進行しているケースでは、歯周病が無い人に比べると脳梗塞のリスクが数倍も高くなります。

  • 誤際性肺炎

    高齢の方や寝たきりの方などは嚥下障害を起こしやすいことから、歯周病菌が肺に侵入して肺炎にかかることもあり、体力的にも重篤化してしまう可能性が高くなります。

  • 細菌性心内膜炎

    歯周病の原因となる細菌は、組織に付着しやすい特性を持つものがあります。このような菌が心臓の周辺にある場合、心膜炎の原因になることもあります。

  • 狭心症・心筋梗塞

    歯周病が重症化している人ほど、心筋梗塞や狭心症といった動脈硬化による心疾患もかかるリスクが高いことが分かっています。

  • 低体重児出産

    妊娠している人が重い歯周病にかかっている場合、早産や低体重児出産のリスクが上がります。

糖尿病と歯周病

歯周病は糖尿病と密接な相互関係を持っています。糖尿病とは、すい臓から出るインスリンと呼ばれるホルモンが減少して血糖値が高い状態が続き、血管に障害が起きる病気です。日本国内では700万人もの人が糖尿病にかかっていると言われており、40歳を超えると1割程度の人がかかっているというデータもあります。
糖尿病は合併症を起こしやすい特徴があり、糖尿病昏睡という急性の疾患や、網膜症、神経障害などの慢性的な合併症もあります。歯周病もそうした慢性合併症のひとつです。糖尿病の人が歯周病にかかりやすいのは、糖尿病の症状である唾液の減少に関係しています。唾液は口腔内の細菌の繁殖を抑える機能を持っていますから、唾液の分泌が減ることは口腔内の細菌が増えることに繋がります。
また、糖尿病になると唾液の中の糖分も高くなるため、細菌が住みやすい環境ができやすくなります。歯周病菌が増えると体内にも侵入して、インスリンの働きを妨害して血糖をコントロールしにくくするので糖尿病は悪化します。その一方で、歯周病をしっかり治療すれば糖尿病も改善しやすいことも知られています。

歯周病の進行と治療

歯周病はゆっくりと進行する病気なので、日常の中では変化に気づきにくい特徴があります。初期には自覚症状も少ないため、歯周病菌が歯槽骨まで到達し、歯がぐらつくことで気づく人も少なくありません。歯肉の炎症などがあっても痛みが無いことから放置されることもあります。歯周病は歯を失う原因になるだけでなく、多くの疾患の要因になります。歯周病菌は血液に入って全身疾患の原因になりますし、肺などの呼吸器に悪影響をもたらすこともあるからです。

歯肉炎

歯ぐきに炎症がある状態で、歯周ポケットの深さは3ミリ以内です。
歯ぐきが炎症を起こしていると、硬いものを食べた時やブラッシングの時に出血することがあります。

≪治療法≫
歯石や歯垢の除去とブラッシング指導を行います。

軽度歯周炎

歯を支える歯槽骨が溶け始めた状態で、歯周ポケットは3~4ミリになっています。ブラッシングの際に出血が見られたり歯ぐきの腫れも見えたり、歯がうずいたりもしますが、症状が無いことが多いのが実情です。

≪治療法≫
スケーラーという専用の道具を使って、歯の周辺についた歯石や歯垢を丁寧に取り除いていきます。

中等度歯周炎

歯を支える歯槽骨が3割から6割も溶け出してしまい、歯周ポケットが5~7ミリにもなった状態です。ブラッシングの時に出血があり、水などの冷たいものが沁みることもあります。日によって歯ぐきが腫れますが、比較的収まる日もあり、歯がぐらつく、口臭や膿が出ることもあります。

≪治療法≫
歯垢や歯石の除去が中心ですが、歯と歯ぐきの間の深い部分を清掃する際は痛みもあるので、麻酔が必要なほどになってきます。進行度によっては歯周外科の治療を行うこともあります。

重度歯周炎

歯槽骨が6割以上も溶けてしまい、歯周ポケットが7ミリを超えた状態です。
歯が不安定になるので硬いものを噛むことが難しくなります。歯肉を押すと膿が出るようになり、口臭もきつくなります。ブラッシングによる出血は日常的になり、外観上は歯と歯の隙間が広がったり、歯が長くなったように見えたりするでしょう。実際は歯が長くなったのではなく、歯槽骨が溶けて量が減った分、歯肉が下がっている状態です。これ以上放置すると歯が脱落してしまうこともあります。

≪治療法≫
歯垢や歯石の除去を行い、外科的な治療もしますが、状態によっては抜歯を選択する可能性もあります。

セルフケアで予防も

歯周病の予防には、毎日のセルフケアと、歯科医院で行うプロによるケアの両方が欠かせません。 歯周病は時々歯科医院で専門的なケアを受けるだけでは、防いだり治癒したりは出来ません。毎日ご自身でしっかりとメインテナンスを行う意識が無ければ、すぐ再発しますし状態は悪化しやすくなります。
セルフケアの質を上げるためには、状況をしっかり知って、プロからブラッシング指導を受ける必要があります。ぜひ一度当クリニックにお越しください。ポイントを踏まえ、ご自身のクセを理解したうえでブラッシングをすることで効果も大きくなります。

予防歯科

もし歯周組織が破壊されてしまったら

歯周病は進行に伴って、歯槽骨や歯根膜などの歯周組織を破壊し続けますから、次第に歯を支えることが難しくなります。スケーリングを中心とした治療では細菌の除去を行ってそれ以上の悪化を防ぎますが、この処置によって破壊されてしまった組織が戻るわけではありません。
しかし、歯周組織が破壊された範囲や程度が部分的なものであれば、歯周組織の再生を行うことは可能です。

再生療法